彼らは技術を追求し表現を高めてきた人々であり理解が極めて早い。いきなりものづくりを0から考え直すといっても、積み重ねてきたものの上に立つ人々にとっては容易ではない。「旅」というアプローチが、そうした壁を超える鍵になるということを体感できたのは大きな収穫であった。
文化の接点として
誕生したのが、NAKANIWA初めてのオリジナル商品でもある「BREAKFAST」である。その名の通り朝食をイメージした商品で4つの品物から構成しているが、もちろん用途は限定しない。なぜ朝食をターゲットにしたのかといえば、それが1日における最初の「食」との接点だからである。一連の商品群に用いられたフォルムは極めて古典的な形状を再構築したものだ。目を奪うのは白磁の器に施された一本の青い線。数ある窯元の中でも、特に高い評価を受ける上出長右衛門窯の絵付け。それを長い年月支えてきた職人たちが、絵柄ではなく一筋の線に思いを託している。フランスの青であり、日本の青が、今こうしてパリの地で異文化に触れたことで誕生したこの品に用いられたのは偶然ではない。私たちの思いを集約した逸品になったと自負している。(「丸若屋」代表 丸若裕俊(まるわか・ひろとし)/SANKEI EXPRESS)