「環境権」で配慮
自民党の憲法改正推進本部が議論の俎上(そじょう)に載せようとしている改憲項目は、環境保全の大切さなどを規定する「環境権」や大規模災害時を想定した「緊急事態条項」の新設だ。環境権は「加憲」を掲げる公明党がいち早く主張してきたテーマで、野党にも忌避感はない。緊急事態条項は、昨年11月の衆院憲法審査会で共産党を除く7党が必要性に言及しており、「理解が得られやすい」(自民党幹部)とにらむ。このほか健全財政を目指すための財政規律条項の新設なども候補だ。
一方で、国民投票で最終的に憲法改正の是非を判断する国民の関心喚起も欠かせない。首相は2年前、憲法改正手続きを緩和する96条の先行改正に言及し、自ら憲法改正の機運を高めようと試みた。しかし、これには与党の公明党からも賛同が得られず、護憲勢力からは「9条改正のためにハードルを低くする話」などと猛反発が起きた。このため、首相は当面、環境整備は党側に任せ「舞台裏」から議論を見守る構えだ。首相周辺も「安倍政権で(改憲が)できなければ10年は遠回りすることになる。絶対に失敗できない」と解説する。(SANKEI EXPRESS)