造成工事が進む、陸上自衛隊沿岸監視部隊の配備予定地。手前はヨナグニウマ=2015年1月16日、沖縄県八重山郡与那国町(共同)【拡大】
日本最西端の沖縄県・与那国島(与那国町)で、陸上自衛隊沿岸監視部隊配備の賛否を問う住民投票が22日に実施される。地域の活性化か基地のない島か-。これまでも選挙のたびに争点となってきた。投票結果に法的拘束力はないが、誘致派と反対派で島を二分した激戦となる見通しだ。
南西諸島防衛強化の一環
重機が岩盤を削るたびに粉塵(ふんじん)が舞い上がり、石を積んだ大型ダンプカーがひっきりなしに往来する配備予定地。造成工事を進める工事関係者がつぶやく。「ここに体育館ができるが、岩盤が固くて順調に工事が進まない」。せわしなく動く重機の近くを、在来馬のヨナグニウマが20頭、ゆっくりと歩いていった。
台湾から約110キロしか離れていない与那国島は、中国や台湾が領有権を主張する尖閣諸島(沖縄県石垣市)にも近い。防衛省は海洋進出を活発化させる中国に対抗し、南西諸島の防衛力強化を掲げている。与那国島の沿岸監視部隊配備もその一環だ。
これまで選挙のたびに賛否が争われ、2013年8月の町長選では、553票を獲得した誘致派の外間守吉(ほかま・しゅきち)町長(65)が47票差で反対派に辛勝し、3選を果たした。今回の住民投票では、永住外国人も含む中学生以上の町民が投票資格を有する。