衆院予算委員会で民主党の岡田克也代表の質問に答える安倍晋三(しんぞう)首相。戦後70年談話に関する有識者会議では、さまざまな視点からの議論を尽くすことで、与党内や与論の理解を深めていく構えだ=2015年2月19日午後、国会・衆院第1委員室(酒巻俊介撮影)【拡大】
こうした回りくどいプロセスを踏むのは、連立を組む公明党への配慮もある。公明党は村山談話の見直しに慎重姿勢で、山口那津男(なつお)代表は18日も70年談話に関し「(過去の談話と)全く意味の変わるものにならないように」と首相を牽制(けんせい)している。「70年談話の作成にあたっては21世紀構想懇の提言を踏まえる」という形を取ることで、公明党からも了解を得たい考えだ。
今回の21世紀構想懇にも、京都大の中西輝政(てるまさ)名誉教授ら首相の考えに近い学識経験者が複数入っていることから「議論をリードしながら、思想信条の異なるメンバーの意見をまとめていく」(自民党幹部)との期待がある。
菅義偉(すが・よしひで)官房長官は19日の記者会見で「今度の懇談会は70年の首相談話を書くことを目的としたものではない」と述べ、21世紀構想懇の提言は談話作成の参考にすぎないとの見方を強調。「談話を作成するのはあくまでも官邸」(政府高官)というのだ。
談話作成にあたり幅広く意見を聞きながらも、主導権は絶対に渡さない。そこには歴史認識をめぐる首相の強い意志があるといえそうだ。(桑原雄尚/SANKEI EXPRESS)