欧州連合(EU)は20日、ブリュッセルで臨時のユーロ圏財務相会合を開き、今月末に期限を迎えるギリシャ金融支援を4カ月間延長することで合意した。支援がなくなればギリシャは3月中にも財政破綻する恐れがあり、ユーロ圏離脱の可能性も取り沙汰されていたが、ひとまず回避された。
1月に発足したギリシャのチプラス新政権は当初、支援の前提とされた厳しい財政緊縮策の撤回を要求。EU側は現行の条件を維持するよう強く訴え、対立したが、新たな危機を防ぐため双方が歩み寄った。ただ融資実行に必要な協議はこれからで、ギリシャが財政危機から脱することができるか、予断を許さない。
ギリシャ政府は23日までに現行の枠組みに基づき行う「改革」の1次リストをEU側に提出する。EU側が内容を十分だと判断すれば、各国が支援の延長手続きを行う。ギリシャはその後、詳細な内容を追加し、EU側と4月末までの合意を目指す。
会合後、デイセルブルム議長(オランダ財務相)は「信頼再構築の一歩だ」と評価。ギリシャのバルファキス財務相は「新しいページを開いた」と合意を歓迎した。会合が採択した声明は「現行の枠組みの条件を基に支援を完了させることが延長の目的だ」と指摘。一方で緊縮策の緩和を図りたいギリシャの立場を踏まえ、財政収支の今年の目標に関し「経済状況を考慮する」と見直しの可能性を示唆した。