ギリシャは、EU側によるお仕着せの「緊縮策」ではなく、自発的な改革の推進にこだわる。ギリシャのバルファキス財務相は、公務員の再雇用や最低賃金の引き上げ、不動産税廃止、貧困支援策などを実行し、その分を富裕層への増税や公費削減、脱税対策強化などで穴埋めする考えだ。しかし実効性は不透明だ。
3月にIMFへの融資返済、7月には欧州中央銀行(ECB)が保有する多額の国債償還も控えており、財政は厳しい。
回復鈍い欧州
EU内にも「緊縮一辺倒でいいのか」という声はある。ギリシャを震源とする2010年以降の欧州債務危機が沈静化した後も、景気回復は鈍く、雇用も改善しない。フランスやイタリアはドイツを筆頭とする厳格な緊縮路線からの転換を望む。こうした一部勢力がギリシャへの歩み寄りを演出した。
ただ、緊縮策を条件とした支援を「卒業」したアイルランドやポルトガルなどは、ギリシャに課した従来の条件変更には反対の立場だ。こうした国では、ギリシャへの大幅な譲歩で自国内の反緊縮機運が一気に高まることを恐れている。