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陰惨だけどチャーミングに演じたい 野村萬斎、中越典子 舞台「藪原検校」  (3/4ページ)

2015.2.23 17:55

「前回は体脂肪が7%台まで落ちた」という野村萬斎さん(左)と、「こんな大役をいただけるなんて」と感無量の中越典子さん=2015年2月9日、東京都江東区(中井誠撮影)

「前回は体脂肪が7%台まで落ちた」という野村萬斎さん(左)と、「こんな大役をいただけるなんて」と感無量の中越典子さん=2015年2月9日、東京都江東区(中井誠撮影)【拡大】

 杉の市にお市ほか、登場人物の生命力はすさまじい。杉の市の悪事には、自分の現状について社会に恨みを持ち、金や性に執着するなど、人間の本質的な欲求を代弁している側面がある。観客には爽快感さえ伝わるが、最後には弱者が生け贄(にえ)になるかのように見せしめとして処刑される。

 少女の初恋永遠に、そんな姿を

 井上ひさしは物語を痛快なピカレスク(悪漢物語)としてみせて、最後に厳しい現実を突きつけたようにも見える。「現代にも通じるものはあるでしょうね。そこが作品にスケールの大きさを与えている。生きることを考える芝居ではないでしょうか。陰惨だけどチャーミングに演じたい」と萬斎は言う。

 そんな杉の市に「色気と生命力を感じる」という中越は以前、井上ひさしの傑作の一つで、栗山が演出した「頭痛肩こり樋口一葉」の舞台を見て感銘を受け、同じ井上と栗山のコンビによる舞台への出演を熱望していた。「まさかこんな大役をいただけるなんて」

ガイド:舞台「藪原検校」

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