子供も見てほしい
テレビのバラエティー番組を多く手がけてきた福田は、昭和40年代から50年代にかけ大人気だったザ・ドリフターズの冒険劇をイメージして、舞台を再構成した。「ドリフはいま見ても完成度の高さに驚かされる。アーサー王は、ドリフが砂漠を探検したときのいかりや長介さんと同じで、平野さんはドリフの番組にゲスト出演していたアイドル歌手のようなもの。ストーリーをシンプルにして笑いをたくさん詰め込んでおり、子供にも見てほしい」と話す。
ひたすら笑ってもらえる舞台が目標。「ミュージカルの敷居を下げたいんです。お金をいただいている以上、端から端のお客さんまで均等に笑ってほしい」。そのため、どの席からも均等に舞台の動きが見えるようセットに気を配る。
ドリフのように笑えるテレビのバラエティー番組は、近年ほとんど見られなくなった。「大人から見れば子供には見せたくない番組。東日本大震災を契機に、情報を提供する番組が好まれるようになった。コンプライアンス(法令順守)も強化されて、少しでも批判のある番組は打ち切りになることもある」と嘆く。