日本統治下の1919年に起きた「3・1独立運動」を記念する政府式典で太極旗(韓国国旗)を振る朴槿恵(パク・クネ)大統領(中央)。国民の支持率は低迷し、対日関係も冷え切ったままの中、残り任期3年の政権運営は容易ではない=2015年3月1日、韓国・首都ソウル(ロイター)【拡大】
【国際情勢分析】
韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領(63)が就任してから2月25日で2年となった。周囲とうまく意思疎通ができず「不通(プルトン)」と揶揄される閉鎖的な政治スタイルや不況、大事故の影響で支持率が低迷する中、来年4月には総選挙を迎える。朴政権に変化を求める声も高まっており、韓国各紙も社説の中で苦言を呈している。そんな中、新しい大統領府秘書室長の人事が注目されていたが、朴大統領は2月27日、前駐日大使の李丙●(=王へんに其、(イ・ビョンギ)国家情報院長(67)を起用することを決めた。
最も急がれる「疎通」
この人事に先立ち、朝鮮日報(電子版、2月23日)の社説は、「この(朴大統領就任)2年間に対する国民の評価は決して甘くない。与党議員たちも全国で国民の冷たい視線を感じたという」とした上で、「朴大統領はまもなく任命する大統領府秘書室長が『やり直そう』という覚悟を持てるよう仕向け、そのようなムードが内閣全体に広がるようにしていくべきだ。現政権の基本姿勢であり、国民に対する義務だ」と注文を付けた。