榊さんは震災で、同居の両親と祖母を亡くし、家族でただ一人生き残った。被災体験を地元の寺で語るうちに他県の寺からも講演を依頼され、震災の翌年から全国を回るようになった。今回は、福岡市の会社社長が榊さんを取り上げた新聞記事を読んだことがきっかけで呼ばれたという。
後悔ない日々を
講演では、榊さんがこの4年間を振り返る。家ごと津波に流され、がれきをはい上がって助かったこと、家族を捜しに泣きながら遺体安置所へ通ったこと、2年8カ月を経て母親の遺骨が帰ってきたこと…。
突然、災害に襲われた体験を通じて伝えたいのは、少しでも後悔のない日々を送ることの大切さだ。榊さんは壇上で、こう続けた。「日々、災害や事件が起き、あす何が起こるか分からない時代。周りにいる大事な人に何かが起こったら。(そう考えると)思っていることは伝えなくちゃ、思いやりの気持ちで接しようと思えるはず」