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【野口裕之の軍事情勢】中国の軍略「積極防御」は「積極暴挙」へのワナ (3/5ページ)

2015.3.9 06:00

全人代に出席する中国人民解放軍の代表たち。中国軍は進化を加速させているが、将兵の質は簡単には変えられず、「逃げ足」と「腐敗」がその伝統文化だ=2015年3月5日、中国・首都北京市西城区の人民大会堂(共同)

全人代に出席する中国人民解放軍の代表たち。中国軍は進化を加速させているが、将兵の質は簡単には変えられず、「逃げ足」と「腐敗」がその伝統文化だ=2015年3月5日、中国・首都北京市西城区の人民大会堂(共同)【拡大】

 ひょっとすると、中国は一貫して唱えてきた《積極防御》戦略を放棄し、先制攻撃を軸とした軍事戦略に大転換を図ったのかと緊張したが、より“正直”に表現したに過ぎぬ。

 中国は時代に合わせ細部は変化させてはいるが、初代国家主席・毛沢東(1893~1976年)が編み出した積極防御戦略を堅持。《防御・自衛と後発制人こそが戦略上の原則》とする。

 《後発制人》とは、楚(紀元前3世紀)の将軍が「敵に後れて発し、敵に先んじて至ることが用兵の要」と諭した故事に由来する。単純化すれば、攻撃を受けた後の反撃。ただ、中国の戦史に精通する読者には???ではないか。

 「後発制人」戦略を装う

 確かに、帝國陸海軍や中国国民党軍との戦では大規模戦闘を回避して逃げ回るか、大陸深部に引き込み(誘敵深入)敵戦力を消耗させていった。ところが朝鮮戦争(1950~53年休戦)で、中国人民志願軍(実際は正規兵)は朝鮮半島に打って出た。中印戦争(62年)では越境してインド軍に大攻勢を掛けて勝利。中越戦争(79年)でも、ベトナムの都市を占領した。

伝統の「逃げ足」と「腐敗」

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