全人代に出席する中国人民解放軍の代表たち。中国軍は進化を加速させているが、将兵の質は簡単には変えられず、「逃げ足」と「腐敗」がその伝統文化だ=2015年3月5日、中国・首都北京市西城区の人民大会堂(共同)【拡大】
前出の軍事科学院副院長ら多くの軍関係者も「日清戦争の敗因」の大きな要素と指摘している。象徴は、清国皇帝の妃→母として権力を振った西太后(1835~1908年)が、避暑用の離宮を修復すべく、巨額の海軍予算を流用した愚。習近平・国家主席(61)が、腐敗撲滅のために言わせている側面も有ろうが、中国人が抱くカネへの異常な執着=汚職は永久不滅だ。政体が変わろうと、日本がいかに憎かろうと、カネまみれになり自滅を繰り返すこの国に“期待”しよう。世界平和にも資する。
日清戦争前の1882年、福澤諭吉(1835~1901年)は、自ら創刊の時事新報紙に連載した社説をまとめた《兵論》で、清国が軍事力の重大性に気付いたときの危険を看破している。意訳すると-
《支那が、立国の根本は軍事力だと目覚め、西洋の兵法や兵器とその製造・運用法を導入する必要性を知り、投資して兵制を一変し海陸軍を強化すれば、今以上に強大な国家になる》
共産中国は既に《目覚めた》観も有るが、党でも軍でも汚職・横流しが跋扈する。「目覚めた獅子」が、カネの魔力で今一度眠りに就く天佑は残る。
できれば、今度こそ眠りは永遠であってほしい…(政治部専門委員 野口裕之/SANKEI EXPRESS)