【和のスタイル】
先月、父が亡くなった日に大勢の方が自宅に駆けつけてくれました。私の実家は椅子の生活なので座布団がなく、近所の叔母さんの家に借りに行きました。倉庫の奥から大きな箱を出してくれて、箱を開けると中からはふかふかの立派な座布団が! 黄金色の生地の荘厳な座布団にドキドキしました。ついさっきまで父の遺体の手を握りながら病院で泣いていたのに、その約1時間後に座布団に興奮している自分にも驚きました。叔母さんは2箱も貸してくれて、1箱はいとこの車で、残りは叔母さんと手分けして抱えて運びました。そして間もなく、おっさま(おぼうさん)がいらして親族の方も次々と到着。全員、上座を向いて3列に座り、座布団の向きはマナーに従い輪を上座に向けました。
運び方にもマナーが
2週間後から中陰供養が1週間おきに、計5回行われるので、その度に親族が全員集まります。そういえば昔、私の友達がたくさん来たときに買った座布団があったのを思い出し、押し入れの中を探してみると安い座布団が出てきました。叔母さんにお借りしていた高級座布団はお返ししました。わが家のものはカバー付き。ファスナーがあるおかげで座布団の向きもすぐ分かりました。とっても便利と思っていましたらカバーは保管するためのカバーで、お客さまには外してお出ししなくてはいけないそうなんですね。座布団については運び方からマナーがあるそうで、全部覚えたらいざというときにスマートな所作ができそうです。