【和のスタイル】
今日は鏡開きの日です。以前、お仕事で正式な鏡餅の飾り方を有名な懐石料理人の奥様に教えていただきました。あれから何度もお正月を迎えましたが、一度もそのようにしたことがありません。なぜなら準備する物が多すぎて、年末のあの忙しい時期にそれだけのものをそろえるのは、重要な仕事を一つ断るくらいの覚悟をして優先順位をあげないとできないからです。
正式な鏡餅を教えていただいたときのことですが、担当の編集さんがお餅の上に飾る橙の代わりにかぼすを用意しました。すると奥様がびっくりされて、「かぼすで代用するなんてありえません、神様に失礼です」と言われ、撮影が中断しそうになりました。カメラマンさんが、緑をオレンジに修正しますからと説得し無事に撮影が終わり、発売された雑誌には完璧な鏡餅が掲載されていました。
そこでわが家では、お手軽なプラスチックのおもちゃの橙がのっているパックのお餅の鏡餅を毎年飾ることにしました。鏡開きの日は、鏡餅を「切る」ことは縁起が悪いとされて、自然にひびが入ったお餅を木づちでたたいて割り、お汁粉などでいただきます。ここでも、縁起、縁起といわれて、ぐったりです。その点、パックの鏡餅は餅の形をしたケースの中に、小分けのパック入りのお餅がいくつか入っているので切らなくても大丈夫。よく考えられていますよね。これで安心してお汁粉にできます。