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【東日本大震災4年】色失った故郷 タイルで彩りたい (2/3ページ)

2015.3.11 11:45

3月21日のJR女川駅再開の時に売り出された石巻線の列車をデザインしたスペインタイル。限定50個、木枠額入りで4000円=2015年、宮城県牡鹿郡女川町(鈴木健児撮影)

3月21日のJR女川駅再開の時に売り出された石巻線の列車をデザインしたスペインタイル。限定50個、木枠額入りで4000円=2015年、宮城県牡鹿郡女川町(鈴木健児撮影)【拡大】

  • 工房があるのは仮設の「きぼうのかね商店街」。連日、タイルの制作が続く。中央が代表の阿部鳴美さん=2015年、宮城県牡鹿郡女川町(鈴木健児撮影)
  • 災害公営住宅のエントランスに飾られた、タイル20枚の大作「秋刀魚の群れ」。サンマは女川町の特産物=2015年、宮城県牡鹿郡女川町(鈴木健児撮影)
  • JR石巻線女川駅駅舎2階の温泉施設「ゆぽっぽ」の待合室に飾られた長さ約10メートルのタイル絵「家族樹」。大きく枝を広げた木には、公募で選ばれた450個の花の絵が組み込まれ、町の復興を静かに見守る=2015年2月3日、宮城県牡鹿郡女川町(鈴木健児撮影)
  • 温泉施設「ゆぽっぽ」の浴室に飾られたタイル絵「泉と鹿」。日本画家の千住博氏の作品で、約650枚のタイルが使われている=2015年2月6日、宮城県牡鹿郡女川町(鈴木健児撮影)
  • 建設中のJR女川駅の新駅舎。ここが石巻線の終着駅となる=2015年2月3日、宮城県牡鹿郡女川町(鈴木健児撮影)
  • JR石巻線の全線再開に向けて、試運転が繰り返される。高台からは新しく生まれ変わる女川の町が一望できる=2015年2月6日、宮城県牡鹿郡女川町(鈴木健児撮影)
  • 宮城県牡鹿郡女川町、JR石巻線女川駅

 女川の身近なものを題材にしたタイルは、災害公営住宅や仮設商店に採用された。しかし、1辺7~20センチ四方の手作りタイルは月100枚が限界。今年度末で緊急雇用創出事業補助金も打ち切られるため、経営は苦しく工房は正念場を迎える。だが、阿部さんは「春に復旧する女川駅と周辺の町にもちりばめたい」と意欲を失うことはない。

 ≪「まちびらき」宣言へ準備着々≫

 震災による大津波で827人の死者・行方不明者を出し、多くの家屋が損壊するなどして市街地がまるごと失われた宮城県女川町。21日、JR石巻線の全線開通と女川駅を中心とする町の復興を宣言する「まちびらき」が行われる。“生まれ変わる町”の準備が着々と進められていた。

 震災後、既に約9メートルのかさ上げ工事を終えた新しい町の核となるのが女川駅舎だ。早くから被災地に入り、避難所を段ボールの筒で仕切りプライベートな空間を創出したり、住宅地が不足した女川で3階建ての仮設住宅を提案した建築家の坂茂(ばん・しげる)氏(57)が設計を担当。白い屋根は、港町で羽ばたくウミネコをイメージしたという。総工費は8億5000万円。

温泉施設「女川温泉ゆぽっぽ」併設

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