東日本大震災の被災地では、記憶の風化を防ごうと震災の関連資料を保存する活動が進む。4年前、大きな揺れや津波に襲われた姿を残す品々は、未曽有の天災の恐怖や被害の大きさを静かに物語っている。
震災前は繁華街だった岩手県大船渡市越喜来(おきらい)地区の一角。がれきでできた風変わりな建物がたたずむ。大津波資料館「潮目」。地元で土木業を営む片山和一良(わいちりょう)さん(63)が2年半前、個人的に作った。電気もない質素な館内には、当時の写真や津波到達時刻で止まった時計などが置かれている。
土地は大船渡市から無償で借りているが、復興計画によっては取り壊しの可能性も。片山さんは「震災を伝える場は必要…」と先行きを気にする。