辺野古沖で再開された海底ボーリング調査。奥は米軍キャンプ・シュワブ=2015年3月12日午前、沖縄県名護市(共同)【拡大】
≪知事、反対派圧力に焦り 政府強気≫
沖縄県の翁長(おなが)知事は米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設の阻止に向け、当初から念頭に置く辺野古の埋め立て承認の取り消し・撤回に加え、岩礁破砕許可の取り消しの検討に入った。破砕許可の取り消しで海底ボーリング調査を中止させる狙いだが、翁長氏に移設反対派の圧力が強まっていることへの焦りもある。対する政府は調査を続行するための「切り札」があると強気な姿勢だ。
破砕許可取り消し検討
翁長氏は昨年11月の知事選で仲井真弘多(なかいま・ひろかず)前知事(75)による一昨年12月の埋め立て承認の取り消し・撤回を検討する考えを表明。就任後、有識者委員会を設置し、2月6日に初会合を開いた。
翁長氏は有識者委の結論を待って取り消し・撤回に踏み切るか判断するが、有識者委は初会合後、報告書の提出は7月になると明らかにした。そのため、反対派には7月までに移設作業が進んで手遅れになるとの不満が広がった。その頃、浮上したのが岩礁破砕の問題だ。防衛省が海上のフロート(浮具)を固定するため海底に沈めたブロックがサンゴ礁を傷つけているとの指摘があがり、翁長氏は「反対派をなだめられる材料だと飛びついた」(県幹部)という。