施設で暮らす乳児が多い日本
だからといって、生みの親が育てられない子供が少ないわけではない。日本で社会的養護を必要とする子供は約4万人おり、そのうち85%以上が乳児院や児童養護施設などの施設で暮らしている。日本では施設で暮らす子供の割合が、アメリカの14%、韓国の57%と比べても著しく高い。国連のガイドラインでは特に3歳未満の子供は家庭で育つべきであるとしているが、日本では全国で約3000人の3歳未満の子供たちが乳児院と呼ばれる施設で生活している。このうち約700人は生みの親と全く交流がなく、それ以外にも血縁上の親元に帰ることが難しい子供は多くいると考えられる。諸外国では、養子縁組はこうした子供に家庭を与える仕組みとして、重要な児童福祉政策に位置づけられている。
ところが日本では養子縁組を国家が取り組むべき児童福祉とする法律がなく、児童相談所の業務としても明記されていないため、積極的に取り組んでいる児童相談所は少ない。日本では社会的養護を受けている子供たちのうち養子縁組する子供は年間約300人だが、これはアメリカの約5万人、イギリスの約4000人と比べると著しく少ない。