「自分が見たい芝居を、一緒に面白がってくれる人たちと作りたい」と話す、俳優の中井貴一さん=2015年2月26日、東京都新宿区(寺河内美奈撮影)【拡大】
「趣味の部屋」は最近、韓国で翻訳されて上演、好評を博した。中井は作品が海外でも親しまれることを願う。「シェークスピアやアガサ・クリスティの上演が日本でも違和感がないのは、本質的な何かがあるから。同じような『メード・イン・ジャパン』のストレートプレーが発信できれば世界でイニシアチブを取れる。日本の今後のエンターテインメントに必要と思う」
「3割理論」念頭に
50代半ばにさしかかり、今後は「失敗を恐れず守らない人生で行きたい」と話す。俳優の立場から作品を企画することも増えそうで「3割理論」を念頭に置く。「野球は3割打てば名バッター。お客さまの3割が2万円払ってもいいと思わせる作品を作りたい」
自己満足に陥らないようにも心がける。「『たかが演劇』でもお客さまの心を打ち、人生を変える何かがあるかもしれない。その結果に僕らはプライドを持つべきで、自分のプライドを優先してはいけない。『されど演劇』ではない」