3人一つ屋根の下
新たな旅立ちといえば、この公演にはちょっとした副産物のようなものがあって、それはこの『蛙昇天』に参加してくれた中山祐一朗さんと伊達暁くん、つまり今年で結成19年を迎える阿佐ヶ谷スパイダースの面々との再会である。
再会と言うとまるで別れてしまったような響きだが、2011年頃から少しずつ年1回やってきた本公演が不定期になり、どっぷりと向き合う時間はほとんどないに等しい状態になっていたのだ。そこへ来て、最初は月数日ずつという緩やかなスタートなれど半年以上の稽古期間を共に過ごし、また今年に入ってからの2カ月間は、仙台市内の一軒家で3人共同生活を送るという考えもしなかったような時間を過ごしたことで、改めてこれまで共に歩んできた道のりのようなものを感じることができてしまった。