できてしまったというのは、やっぱり照れくさいわけである。稽古が終わると、中山さんの運転する車で帰宅、伊達くんが風呂を沸かし、2人はそのまま台所でせっせと夕飯を準備する。時間としてはもうかなり遅いが、昼過ぎから稽古し続けているため、腹は減る。私はその間に翌日の稽古スケジュールをまとめたり(働いている出演者も多いので稽古スケジュールを組み立てるのが本当にややこしいのだ)、台本とにらみ合ったりしている。やがて食事が出来上がると乾杯して与太話、あるいは稽古や芝居について深夜まで語りながら、代わる代わる風呂に飛び込んでゆく。
翌朝、一番に起きるのはおおむね私なので台所の食器を片付ける。それが終わると伊達くんが自室から下りてきて(二階建ての一軒家)、みそ汁など温め、何となく一緒にほぼ無言の朝飯。中山さんが起きて来る頃には私は自室で勉強、2人はその日の稽古中に食べるお弁当を3人分詰め合わせてくれる。稽古場の近所に食事処がないのと、何よりも短い休憩時間でかっこむにはお弁当が最適なのだ。それからまた車で稽古場へ行く。一度も相談せずに自然とこの連携が組まれていったのだから、やはり歳月というものは偉大なのかもしれない。