3年ぶりの日中韓外相会談に臨んだ(左から)岸田文雄外相、韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相、中国の王毅外相=2015年3月21日、韓国・首都ソウル(AP)【拡大】
これに先立つ日中外相会談では、テーマが歴史問題に集中し、時間の半分以上が費やされた。王毅氏は「日本がどのような態度で歴史に向き合うかに注目が集まっている」と指摘。岸田氏は「安倍総理が歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいくと何度も表明している」と反論した。
岸田氏はまた、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺での中国公船の領海侵入を念頭に「日中関係を改善するための機運を高めないといけないが、東シナ海ではそれに反する動きがみられる」と批判した。
日韓外相会談では、09年12月以来開かれていない外交、防衛当局による安全保障対話の早期開催で一致。日韓国交正常化50年を迎えたことを踏まえ、関係改善に向け意思疎通の緊密化も確認した。しかし、尹氏が提起した慰安婦問題については平行線をたどった。
岸田氏は、産経新聞社ソウル支局の加藤達也前支局長の出国禁止が解かれていないことに深刻な懸念を伝えた。(ソウル 楠城泰介/SANKEI EXPRESS)