【日中韓外相会談】「早期首脳会談へ努力」一致　産経前支局長問題で懸念伝達 (3/5ページ)

　≪歴史認識に固執　険しい関係改善の道≫

　２１日の日中韓外相会談では、中国が歴史認識問題に固執し、日本は防戦を強いられた。中国は、安倍晋三首相が夏に出す戦後７０年談話を新たな「歴史カード」とする考えで、未来志向を主張する日本との間で溝は埋まらなかった。日中、日韓の個別外相会談でも中韓が歴史問題を持ち出した。３カ国の首脳会談の早期開催への努力で一致したものの、実現への道は依然険しい。

　「本日は冬が終わりをつげ新しい季節が始まる春分の日だ。光が闇を追い払い始める日に３カ国の外相が新しいスタートをきることは祝福だ」

　ソウル市内の新羅ホテル内に設置された会議場。会談の冒頭、議長国・韓国の尹炳世（ユン・ビョンセ）外相が日中両国に連携強化を求めた。岸田文雄外相も「未来志向」を訴え、連携強化に同調した。ただ、中国の王毅外相は歴史問題で日本を牽制（けんせい）するなど３年ぶりの会談でも冒頭から警戒を強めた。

中国の王毅外相「歴史問題は過去形ではない。現在進行形だ」