3年ぶりの日中韓外相会談に臨んだ(左から)岸田文雄外相、韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相、中国の王毅外相=2015年3月21日、韓国・首都ソウル(AP)【拡大】
日中韓外相会談は、昨年11月の北京での日中首脳会談を契機に、韓国の主導で昨年内の実施が模索されていた。だが、安倍首相の靖国参拝などを警戒する中国が難色を示したため先送りされた経緯がある。
今回の開催をめぐっても、3カ国の首脳会談の時期について戦後70年談話の内容に神経をとがらす中国が、談話発表の夏以降に開くことを要請していた。日本外務省幹部は「3カ国の協力関係強化が目的で、2国間や懸案事項をとりあげる会談の枠組みではない」と不快感をあらわにする。
韓国は中国と歴史問題で共闘するが、首脳会談の開催時期については必ずしも戦後70年談話を交渉材料には使わず「前向きな姿勢をみせていた」(外務省幹部)という。中韓がすべての分野で一枚岩であるわけではない。
首脳会談は早期開催への努力で一致したが、実現の見通しは立っていないままだ。王氏は会談後の共同記者会見でも「(日本の)歴史認識が3カ国の協力を阻害してきた。歴史問題は過去形ではない。現在進行形だ」と改めて強調した。(ソウル 楠城泰介/SANKEI EXPRESS)