「現在のところは、条件が満たされていないのではないかと考えている」。宮下一郎財務副大臣は23日の会見で、AIIBの参加に慎重な日本政府の姿勢を重ねて強調した。
宮下副大臣の挙げた「条件」とは、AIIBが(1)加盟国を代表する理事会が個別案件の審査、承認を行うこと(2)債務の持続可能性や環境、社会に対する影響への配慮-の2点が確保されること。政府はアジア地域のインフラ整備で、AIIBが野放図な融資を繰り返せば、日本が歴代総裁を出すアジア開発銀行(ADB)の融資が焦げ付くなどの影響が出かねないと懸念している。
実際、AIIBの融資判断については、中国が独自基準を採用する可能性が高い。22日に北京で開かれた経済フォーラムでも、投資案件には環境保護への配慮が必要とするADBの中尾武彦総裁の指摘に、中国の楼継偉財政相が、「官僚主義で、最良とはいえない」と反論していた。
一方、アジアのインフラ需要は既存の国際機関だけでまかない切れないのも事実。欧州各国の相次ぐ参加表明は成長市場を見据えての動きともいえ、今回の米国の共同出資提案で、日米はAIIBに対する関与の選択肢を残した。(佐久間修志/SANKEI EXPRESS)