【国際政治経済学入門】
2015年。日本と世界の経済はどうなるだろうかと考えるとき、参考になるのは世界の株価の動きである。世界の株価はグローバルなカネの流れを照らし出す。外からの資金に依存している新興国の場合、株の下落と資本逃避が同時に起きると、経済は大混乱に陥る。
グラフの14年の主要国・地域のドル建て株価指数を見ると、まさに米国の独り勝ちである。13年12月のドル建て株価指数を「100」とすると、14年12月の株価は米国の「113」に対し、ユーロ圏が「95」、日本は「97」、新興国総合も「97」といずれも1年前に比べてマイナスの水準にとどまっている。日本は日銀による異次元金融緩和の追加策(14年10月末)を受けて盛り返しているが、円安のために株価のドル換算値の上昇速度が鈍い。