日本銀行がカネをすれば株は上がるが、物価はどうなる=2001年9月~2014年9月【拡大】
【国際政治経済学入門】
「日本は脱デフレに向けた過程で、今まさに正念場にある」「インフレ目標早期達成のためにできることは何でもやる」-。日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は10月31日に突如、最後の賭けに出た。長期国債買い入れ額を年50兆円から80兆円に増やす一方、日本株連動の上場投信(ETF)の買い入れ額をこれまでの3倍の年3兆円とする。長期国債買い入れは政府の一般会計向け国債発行額(2014年度は41.2兆円)の倍近いし、借換債など含めた市中発行額(14年度は167.9兆円)の44%に相当する。ETFの買い入れ額は信託銀行を上回り、日銀が日本株の主購入機関になる。想定していなかった市場に与えた衝撃はすさまじく、円相場は急落する一方で株価は急騰している。資金供給残高(マネタリーベース=MB)は15年末に国内総生産(GDP)の7割強(米国は2割強)に達する見通しで、これも異次元だ。マーケットへのマネー大量投入で脱デフレと景気の好循環を実現できるのか。