日本銀行がカネをすれば株は上がるが、物価はどうなる=2001年9月~2014年9月【拡大】
成功体験もとに
黒田日銀が念頭に置いているのは米国の量的緩和の成功だ。米FRB(連邦準備制度理事会)はリーマン・ショック後の3次にわたる量的緩和政策によって、株価を押し上げ、その株価が先導する形で景気を上昇軌道に乗せた。筆者試算によると、13年1~3月期以来、米国のMBが「100」増えるごとに、株価は「15前後」上昇を続け、株価が「100」上昇すると、実質GDPは「12~15」増えてきた。
日本の場合はどうか。MBの「100」の増加に対し、日経平均株価上昇幅は異次元緩和開始の13年4月から12月末まで実に「100前後」と目覚ましかったが、消費税増税実施の今年4月から9月末までの日経平均上昇幅は「55~60」で安定的に推移している。株価上昇幅100に対する実質GDPの増加分はどの程度か。13年1~3月期から今年7~9月期(実質成長率を民間予測平均の年率1.9%とした)まで、おおむね「5~6」で推移している。