日本銀行がカネをすれば株は上がるが、物価はどうなる=2001年9月~2014年9月【拡大】
黒田日銀はこれまでの異次元緩和の成果に手応えを感じているわけである。この「成功体験」をもとに、緩和を大胆に拡大して、一気呵成(かせい)に脱デフレを実現しようと狙う。黒田氏が「中央銀行総裁として歴史に名を残すか」とつぶやくゆえんである。
過大評価は禁物
だが、米国と日本には決定的な違いがある。日本では消費税増税があり、さらに株価に対する実体経済の反応度は、日本は米国の3分の1程度に過ぎない。日本の株価は絶えず、ニューヨーク・ウォール街の投機に左右される不安定さがつきまとう。また円安は内需型産業のコスト増を招き、急激な円安は実体経済の混乱を生みかねない。
消費税について、黒田総裁は昨年秋の税率8%実施決定に際し、安倍晋三首相に増税しても金融緩和で景気への悪影響を相殺できると進言した。しかし、円安と税率アップのダブル効果で物価は3%台半ばまで一気に上昇し、実質賃金の下落を招き、家計消費を押し下げている。黒田氏と気脈を通じる内閣参与の本田悦郎静岡県立大学教授や浜田宏一エール大学教授は、異次元緩和を強化しても、税率10%への再引き上げ時期を1年半延ばすべきと、主張している。両氏に黒田氏が同調するのが当然だ。