日本銀行がカネをすれば株は上がるが、物価はどうなる=2001年9月~2014年9月【拡大】
株価については、実体経済への影響を過大評価するのは禁物だ。グラフが示すように、01年から5年間の日銀量的緩和時期、株価は確かに上昇基調にあったが、脱デフレには至らなかった。当時のブッシュ政権の容認で日本は円安誘導策をとり、輸出増に成功したが、物価下落率以上に賃金・所得が下がり続けた。今回は、円安にも関わらず、輸出は増えない。内需、特に家計消費や実質賃金を押し下げる消費税増税はデフレ再燃の最大の要因となる。増税によるデフレ効果は1年後にはっきりと表れる。1997年度の消費税増税では、その年の7~9月期から企業の生産が減り、在庫が急増し始め、98年度から慢性デフレに突入した。日銀は異次元緩和の弾薬を今回で使い果たす。必ず成功させるためには、消費税率の再引き上げ見送りが最低条件になるだろう。(産経新聞特別記者・編集委員 田村秀男/SANKEI EXPRESS)