2月下旬は中国の旧正月休みだ。この期間、ブランド物で着飾った中国人旅行者が東京・銀座で人民元決済用のカードを使う。デパートや高級ブランド店、電器ショップなどは、人民元大歓迎だ。貿易代金の元建て決済もアジアを中心に広がりつつある。ならば中国の通貨、人民元は「国際通貨」といえるだろうか。
IMF、SDRの見直し検討
5年前、国際金融社会の総本山、国際通貨基金(IMF)は人民元を「自由利用可能通貨」として認めなかった。自由利用可能通貨とは、世界のどこでも支払い、ビジネス決済やその準備資産、あるいは資産運用手段として使われる通貨のことで、ドルはもちろん円、ユーロもそうだ。
自由利用可能通貨となれば、元はIMFが持つ仮想通貨「SDR(特別引き出し権)」を構成する主要国際通貨の一角に組み込まれる。SDRは現実には流通していないが各国の外貨準備用として使われる。現在、SDRはドル、ユーロ、円、ポンドの4大自由利用可能通貨で構成される。元が加わると、世界各国の通貨当局や中央銀行は元を外貨準備として持つようになり、元は国際決済用として一挙にグローバルに普及しよう。