米アップルの腕時計型端末「アップルウオッチ」に、スイスをはじめとする時計の老舗メーカーが対抗心を燃やしている。世界の腕時計市場でシェア1位(18%)のスウォッチグループ(スイス)などが23日までにスマートウオッチの販売計画を相次いで発表。腕時計の製造で培ったデザイン性を武器に、アップル参入で大幅拡大が見込まれる市場の“分け前”を奪い取りに行く構えをみせている。
デザイン性で勝負
9日のアップルウオッチ発売計画の発表以降、いち早く対応策を打ち出したのがスウォッチグループだった。
3月12日付英BBC放送(電子版)などによると、スウォッチのニック・ハイエク最高経営責任者(CEO)はこの日の記者会見で、ホテルのドアに近づけるだけでキーとして使えたり、レジでかざすだけで買い物の決済ができるスマートウオッチ「スウォッチタッチ ゼロワン」を5月に発売すると発表した。
決済機能については、中国のクレジットカード決済機関「中国銀聯(ユニオンペイ)」のほか、スイスの銀行や米大手クレジットカード会社と提携交渉に入っている。夏頃にはスマートフォンと無線でつながり、ニュースやメールなどの送受信が可能なモデルも発売するという。