「やっぱりこれまでクラムボンを引っ張ってきたのは、彼の音楽性やアイデアによるところが大きいんですよね。デモで曲が来るたびに“おぉ、こうきたか”と驚かされる。そのクオリティーに応えなきゃというプレッシャーは常にあって、今回、歌詞には大いに悩みました。自分の内側にある、言語化できない部分、あまり思い出したくないこととか、触れてもらいたくないようなところまで潜っていって。震災以降、今のことを歌にするのは難しいです。まだまだ言葉にできないとはわかっているんだけど、でも“しないと次には行けない”という気持ちもあって、徹底的に苦しかったですね」
一番時間のかかった曲は、シングルになった「yet」という。
「鳴っている音をまず肯定する、そこから始まって、このすさまじい演奏の上で、私は一体何を歌えばいいんだろうって、一言も言葉が出てこなくなった。メンバー2人と、“あれからどうだった?”ってあらためて話したことはないんですけど、このほとばしるエネルギー、渦に巻かれていくような状態こそ、今なんだと思えて、その姿をさらしてみようと」