せっかく誰かといい出会いができても、わずか数時間後には自分の存在を忘れられてしまう…。気鋭の堀江慶(けい)監督(36)が手がけた「忘れないと誓ったぼくがいた」は、そんな悲しい運命を背負った少女の純愛物語だ。2014年公開の「2つ目の窓」(河瀬直美監督)に続き、映画主演は2度目となった村上虹郎(にじろう、18)は、この少女に恋をする心優しい少年をみずみずしく演じきった。
原作は平山瑞穂(46)の同名ファンタジー小説。大学受験を控えた平凡な高校3年生のタカシ(村上)は夜道にふと現われた少女あずさ(早見あかり)に恋心を抱く。後日、同じ高校の生徒同士と知った2人は仲良くなり、デートを重ねるようになった。そんなある日、あずさはタカシに「私と出会った人は皆、数時間後には私のことを忘れてしまう」と不思議な告白をする。
「普通」が難しい
幼い頃から映画が大好きだった村上は「主演を2度経験できたことで自信につながったのは確かです。でも、内外に大勢の素晴らしい役者がいます。いつか僕も彼らのレベルに到達したい。逆にその人たちができないことは何だろう? そんなことも考えるようにもなりました」と振り返り、演技の奥深さを再認識した様子だ。