3年間、向き合って
ヴァレ監督は本作を少し個人的な色彩を帯びた形に仕立てた。「15年間連れ添った妻と別れた直後に作ったから、僕の心理が作品にかなり影響しています。映画作りは自分自身に対するカウンセリングの意味もあったかもしれません」。もっとも、ヴァレ監督はずっと以前からラブストーリーの制作を望んでいて、物語は「ソウルメイトとは何か」を観客に考えてもらう内容にすると決めていたそうだ。
ジャクリーヌとキャロルは純粋すぎるほどの愛情を持つがゆえに、次第に精神のバランスを崩していき、ほどなく夢を介在して、2つの物語が交錯していく。「人生を一番のテーマとした映画を作るため、3年間、毎日のようにこの物語と向き合ってきました。神秘的で魔法のような瞬間を撮りたいと思ったから、謎めいた超常的なところまで踏み込んでみたんです」