流通業界関係者も「創業者はゼロから会社を作り上げた自負がある。後継者の仕事が思い通りでないと、自分が乗り出したくなる」と話す。とくに創業者は大株主でもあるため、発言力は強い。
顧客の視線、一段と厳しく
大手上場企業ではファーストリテイリングで17年、3年前に就任したばかりの玉塚元一社長(現ローソン社長)を創業者の柳井正会長が事実上解任したことが話題になった。
25年に不適切な会計処理が発覚した雪国まいたけは創業者、大平喜信社長が辞任したものの、大株主として株主総会でイオン出身の社長を解任するなど関与を強化。反発した経営陣と銀行団の要請を受けた米投資ファンドが、雪国まいたけ株のTOB(株式公開買い付け)を始める異例の事態に発展した。
大塚久美子氏は総会後の会見で「信頼回復のため、誠心誠意、お客さまに尽くす」と述べた。同族企業の経営に詳しい神戸大大学院の三品和広教授は「最終的には創業者がいかに身を引くか、後継者を親族や社員にこだわらず、いかに育成するかが問われている」と話している。混乱を早期に収拾し、事業継承の「成功例」となれるか。久美子社長ら経営陣に注ぐ株主や顧客などステークホルダー(利害関係者)の視線は一段と厳しくなっている。