NASAの宇宙飛行士はこれまで、7カ月以上ISSに滞在したことはなく、連続して1年間滞在するのは初めて。ロシアは旧ソ連時代を含む1986~2001年に運用した宇宙ステーション「ミール」で6人が10カ月以上の滞在を経験し、1994年から95年にかけてはバレリー・ポリヤコフ飛行士(72)が437日の滞在を記録している。
骨や視覚に異常
AP通信などによると、ケリー飛行士はソユーズに搭乗前、「今回の長期滞在ミッションは国際協力の下で行われることに深い意義がある。なぜなら、来るべき火星有人飛行は、1国単独のプロジェクトではなく、必ずや国際的協力体制を組んで実施されるからだ」と力説。コルニエンコ飛行士は「20年前と今では、技術も進歩し、環境も変わっている。よりよい実験成果を上げられるよう全力を尽くす」と語った。
微小重力状態のISSでは、半年の滞在でも不眠症状になる飛行士がいるほか、骨密度が低下したりする。さらに地球にいる時と比べて人体内の各種体液がより多く頭部に流れるため、頭蓋内の圧力が高まって視神経を圧迫。これまでに視覚異常を起こした飛行士も多い。