≪「理想の生き方」静かに祈り≫
古代インドの長編叙事詩「ラーマーヤナ」の主人公、ラーマ王子の誕生日を祝う祭り「Ram Navami(ラーマ・ナバミ)」がインド全土で盛大に行われた。ヒンズー教の暦で3月あるいは4月の新月の日から9日目がその誕生の日とされ、今年は3月28日がそれにあたった。
新月からの9日間は、寺院や「アシュラム」と呼ばれるヨガなどの精神的修行をする道場で「ラーマーヤナ」が詠み上げられ、あちこちで講話が開かれる。敬虔(けいけん)な信者の多くはこの期間断食をして過ごすという。
また、この日はラーマ王子と妃のシータ姫の結婚記念日としても知られ、多くの家庭は2人の像を飾って家族一緒に祈りをささげるという。
「ラーマーヤナ」は、邦訳が「ラーマ王行状記」。紀元前にサンスクリット語で書かれ、全7巻、4万8000行に及ぶ。コーサラ国のラーマ王子が、誘拐された妻、シータ姫を救い出す愛と冒険の物語だ。