任期途中での辞任を表明した全国農業協同組合中央会(JA全中)の万歳章(ばんざい・あきら)会長。記者会見後、報道陣に囲まれた=2015年4月9日、東京都千代田区(早坂洋祐撮影)【拡大】
2018年産米からの国の生産調整(減反)廃止への対応をはじめとしたコメ改革や、農家の所得増大に向けた農産物の輸出拡大といった成長戦略の実行も待ったなしだ。10月には3年に一度のJA全国大会が控えている。中期計画に当たる大会議案では、こうした課題への対応方針を示すことになっており、策定作業が急ピッチで進んでいる。
冨士専務理事も退き、JA全中はツートップを一度に失う。万歳会長は「(改革の)方向付けをやってきた皆さんはたくさんいるので、混乱はしない」と不安を打ち消すが、一連の改革を熟知している万歳会長らが去るのは大きな痛手だ。
「改革の方針は事務方に下りてきている。驚きは隠せないが、影響はあまりないと思う。前向きに取り組むだけだ」。あるJAグループの職員は、自分に言い聞かせた。(SANKEI EXPRESS)