北海道知事選で当選を決め、支援者らに囲まれて万歳する現職の高橋はるみ氏=2015年4月12日、北海道札幌市(共同)【拡大】
「大きな成果だ。景気回復の実感を一日も早く届けてほしいという期待感は大きかった」
茂木(もてぎ)敏充選対委員長は12日夜、党本部で記者団にそう語った。全勝は既定路線だった。選挙戦終盤の6日には安倍晋三首相に電話で「10の知事選は全部いけそうだ」と報告。首相は「よかった」と応じている。
自民党は、与野党系候補の対決型となった北海道と大分県に加え、民主党と相乗りだが一筋縄にいきそうになかった奈良県の3知事選を重点選挙にしていた。
このうち北海道は「民主王国」。自民党は敗北が濃厚だった札幌市長選との連動を避けた。「両方を取りにいって知事選を落とすわけにはいかない」(幹部)からだ。その一方で道議選とは徹底的に連動させた。
大分県知事選の勝利は、多くの首長が現職の広瀬勝貞氏を支援したことが大きい。1月の佐賀県知事選で官邸側が推した人物が敗北した反省から、自民党は応援弁士として閣僚らの投入を控え、「中央対地方」の構図にならないように腐心した。