大会前日の練習ラウンドで実は、この3人が一緒に回った。水切りショットに興じるなど、ウッズの楽しそうな笑顔が印象的だった。
1日目にスピースが首位に立ったとき、ウッズは早くも彼の優勝を予想した。「前日にクレンショーと一緒に回った財産があるから」と言って。それはグリーンの攻め方やコースの落としどころといった戦略的なことばかりではなく、常に紳士的でありながら勝負を捨てないクレンショーの精神的なものの継承を意味したのではないか。
それは、ウッズが失いかけていたものでもあったはずだ。
クレンショーはスピースをどう見たか。構えたらすぐ打つ早撃ちぶりを「ワイアット・アープ」と称し、「創造力に富み、熱い競争心とすごいパットを持つ」とベタ褒めだった。
去るベンと、帰ってきたタイガー。時代は確実に次の主役を求めている。もちろん、松山英樹も、その有力な候補だ。(EX編集部/撮影:AP、ロイター/SANKEI EXPRESS)