打ち上げられたイルカを救助する住民ら=2015年4月10日午後、茨城県鉾田市(共同)【拡大】
しかし、イルカやクジラの集団座礁は世界中で度々起きている。その後に地震発生の頻度が高いという因果関係は実証されておらず、地震と無理に結びつけるのは難しい。餌を深追いして浅瀬に乗り上げてしまったという説もある。
その教授によれば、正直なところ、原因はよく分からないらしい。教授らによるイルカなどの個体の座礁に関する研究ではウイルスが原因ではないかとみているそうだ。海洋生物でも環境悪化などのストレスで負荷が強くなると、普段は問題にならないウイルスや細菌によっても病気になる。人間でも抵抗力が弱くなると帯状疱疹(ほうしん)にかかったりするのと同じらしい。
海の中のウイルスの振る舞いを研究し解明することも漁業資源の減少が危惧されている海の生態系を再生させる大きな手がかりになるだろう。地球の環境保全のためにも海洋生物の大量死の原因究明が待たれる。(気仙英郎/SANKEI EXPRESS)