オランダ中部アーネムの動物園で、木の枝で無人機をたたき落とすチンパンジーを、無人機に搭載されたカメラが捉えた映像。チンパンジーが高い知能を持つ証しとして大きな注目を集めた=2015年4月10日(AP)【拡大】
NhRP側のスティーブン・ワイズ弁護士は英紙ガーディアン(電子版)に、「長い長い戦いの始まりだ」と気を引き締めながらも、「いつか認められるとは思っていたが、素晴らしいことだ」と喜んだ。一方、保護令状を出した判事の広報担当であるデビッド・ブックスタバー氏はニューヨーク・デーリー・ニューズ紙に「チンパンジーが人であるとは言っていない」と説明。大学側はメディアにコメントを拒否している。
ことごとく却下
米国では、これまで動物の「人権」を認めるよう求める訴訟はことごとく却下されてきた。NhRPがニューヨーク州の動物園で飼われているチンパンジーのトミーについて「人権」の適用と解放を求めた訴訟では、ニューヨーク州高裁が昨年12月に訴えを却下した。人間と違い「人権」を得ることによって果たすべき「法的義務や社会的責任を果たせない」というのが理由で、NhRPは最高裁に上告している。