詐欺集団の面々は、粋がっているようでいて気骨がなく、龍三たちにちょっと脅しをかけられるとたちまち逃げ出してしまう実に弱々しい存在として描かれているのが印象的だ。北野監督は今時の若者たち全般にどんなまなざしを向けているのだろう。
「自分はあまり若者を批判しないし、その代わり励ますこともない。自分で自分の道を自由に選べと…。何か文句ばかり言っているのも嫌だしね」。勝手にしろが基本スタンスなのだ。ただ、若者たちが自分の映画作りに携わり、撮影その他で粗相でもしようものなら、北野監督は絶対に黙ってはいないという。「相手が助監督でも誰でも、ちゃんと文句を言う。『お前、ちゃんと仕事しろ。こんなことも調べてないのか』とね。でもそれは仕事の話だから」
感覚が子供っぽい
逆に北野監督は自分自身を含めて「ジジイ」の存在をどう考えているのだろう。「ジジイたちって気分は悪ガキなんだよね。この映画はそれを面白がっているというのがある。そういう条件で自分は脚本を書いたからね。まあ、芸人さんなんて特にそうだけれど、子供っぽい(気持ちを持った)人が多いですよね。むしろそういう人の方がいい感覚を持っているから、売れちゃうことが多くて。変に理屈っぽくなってしまうと、特にお笑いの方はだめだね」。だから北野監督は「平均年齢72歳」というヤクザ役の主要キャスト8人に小難しい注文は出さなかった。