政府は「あらゆる事態に切れ目のない対応を可能にする法整備」を力説するが、法律を増やしても、情勢変化や兵器の進化で法と法の間に「穴」ができ、新事態は法の網の外に現れる。国家防衛や国際平和を後回しにし、自衛隊の一挙手一投足を、多数・細分化された個個の法で縛る「歯止め」が法整備の第一目的だからむべなるかな。あまりの法律の多さに、自衛隊員は「自衛隊の大砲の弾には法律名が書いてある」と嘆く。現地派遣指揮官は法律家の見識を強要され→決断を鈍らせ/遅らせ→部下や保護下に入った非武装市民を危険に遭わす悪夢にうなされる。もはや安全保障関係の法律群は本館-別館-新館が迷路のごとき廊下・階段で連接された巨大温泉ホテルのよう。消防・建築・観光上の規定をクリアしても、イザ火事と成れば死傷者が出る。豪華さ(経済)を極度に優先させた「欠陥ホテル」の設計者が吉田である。
遅ればせながら「反軍」の左翼に、日本国民は胡散臭さを感じ始めた。ただ「非軍」を看板に、自衛隊を鎖でつなぎ「飼い主ヅラ」を気取り「政治の食い物」としてきた公明党や“保守本流”も罪は似たり寄ったり。政権内に巣くう、吉田の残滓もお掃除するときがきた。(政治部専門委員 野口裕之/SANKEI EXPRESS)