米国訪問の初日となった4月26日、ジョン・ケリー米国務長官(中央左)の私邸前で、出迎えを受ける安倍晋三(しんぞう)首相と昭恵夫人。右端は岸田文男外相。ジョン・ケリー氏と岸田氏は27日、外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)に出席した=2015年、米マサチューセッツ州ボストン(AP)【拡大】
空域作戦構想では新たな脅威として中国が配備を進める「巡航ミサイルによる攻撃」を挙げる。また、米側が海上自衛隊による南シナ海などでの対潜哨戒活動に期待していることを踏まえ、平時から有事に至るまで警戒監視・偵察(ISR)分野で協力することも盛り込む。
指針見直しが初めて日米間の政治課題となったのは、民主党政権下の2012年8月。その後、自民党政権下で日本側の安全保障法制に関する与党協議が遅れたため今月27日まで持ち越されていた。
日米両政府が再改定のスケジュールを遅らせてまで、安保法制整備にこだわったのは、日本の役割拡大が法的に担保されなければ、実効的な日米協力強化が図れないからだ。「今回のガイドラインの見直し作業は終始、日本国内の事情に合わせて進められた」(政府関係者)といえる。
≪米 地球規模の支援に期待≫
オバマ米政権は「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」再改定で強化される日米同盟を「アジア太平洋地域における同盟ネットワークの中心」(ローズ米大統領副補佐官=国家安全保障問題担当)と位置付け、集団的自衛権の行使を通じた日本の役割強化に期待している。軍事的な野心を強める中国、北朝鮮に対抗することが狙いだ。