2人のバーディーパットが外れると、藤田は迷わずパターを手にし、5メートルの下りのラインを躊躇(ちゅうちょ)なく打ち出した。
ボールがカップに沈む。パターを落として万歳のポーズを取ると、藤田はキャディーを目指して駆けだし、その勢いのまま抱きついた。若さを爆発させたようなシーンだった。
キャディーを務めることもあった妹の美里さんはプロモデルの美人姉妹。最終日の装いは紺のロングポロシャツに首元から腰までの白の2本ライン。黄色のスカートには、たわわに実るオレンジがデザインされ、日本一美しいといわれる川奈ホテルのコースに鮮やかに映えた。
優勝を争った藤田と松森はともに20歳のプロ85期同期生。毎年、強い若手が出てきて、しかも伸びやかで魅力的だ。そんな選手らの涙や笑顔を晴天下で間近に見られるのだから、女子ゴルフの人気も当然だろう。