≪川奈の百花咲き乱れ≫
「壁ドン」なんて造語が流行っているらしい。壁にどんと手をついて女子に迫る男子の様をいうのだという。
どんな気の利いた言葉を口にしても、受け入れられるかどうかは女子の好みや男子の個性によるのだろう。
「壁ドン」どころか、こんな満面の笑みで女子が両手を広げて走ってきたら、これを迎えてうれしくない男は、いない。
フジサンケイレディスクラシックのこの劇的なラストシーンを、複雑な思いで受け止めたであろう人が、少なくとも5人はいる。通算7アンダーで優勝した藤田光里に、わずか1打及ばず、2位タイに終わった5人である。
藤田とともに最終組で回った一ノ瀬優希と金ナリはともにバーディーパットを打ち終わっていた。藤田がエッジからパターで打った球がカップに消えなければ、短いパーパットを沈めてプレーオフに向かうはずだった。トップで最終日を迎えた一ノ瀬は後半に3つのボギーが重なり、リードを守れなかった。