≪小さな体 困難に耐える子供たち≫
ネパール大地震は2日、発生から1週間を迎えた。被災地では、多くの命が奪われる一方で、新たな命も生まれている。病院では、赤ちゃんが愛嬌(あいきょう)を振りまき、人々につかの間の安らぎを与えていた。
首都カトマンズの大規模な公立病院。ロビーに臨時で並べられたベッドで、出産を終えたばかりの女性や赤ちゃんたちが休んでいた。その中の一人、主婦、アニタ・スラスタさん(24)が1日、地震当日の出来事を振り返った。
出産予定日だった4月25日朝、陣痛が始まった。病院に行く準備をしていた午前11時56分、地震が発生。家族と共に屋外に飛び出した。直後に自宅が倒壊した。
夫らとタクシーで病院に向かう途中、陣痛がだんだんと強くなった。しかし、道路は渋滞。病院にはけが人が殺到した。古い病棟は余震のたびに激しく揺れた。
「このまま自分も赤ちゃんも死ぬんだと覚悟した」と話す。しかし、医師と看護師の懸命の働きで、夜になって無事に出産。帝王切開で生まれた第1子は、約3000グラムの元気な男の子だ。