雨に震えながら身を寄せ合う人々。飛び交う余震のデマに気が休まらず、焦燥感が募る。大地震が襲ったネパールの首都カトマンズ中心部の広場では26日、余震を恐れて屋外に避難した被災者数千人がすし詰めになり、凍える寒気と暗闇の中、眠れぬ不安な夜を過ごした。
「また(余震が)来るわ」。女性の叫び声が突然上がった。実際に揺れは起きなかったが、座っていた数百人がわれ先にと逃げだしパニックになった。普段は政府が記念式典などを行う屋外広場。ぎっしりと人々が身を寄せ合って座る観客席では、階段から転げ落ちた人の下敷きになる人も出て、悲鳴や怒号、泣き声が響き渡った。
≪続く停電、凍える雨 「支援物資何もない」≫
カトマンズは27日、雨が上がり、車やバイクが行き交うなど交通が戻りつつある。ただほとんどの商店は閉まったままで、通信状況も不安定だ。
中心部にある広場では、赤れんがの建物が崩落し、高さ約2メートルのがれきが半径約30メートルにわたり散乱。地元住民ら数百人が集まっていた。下敷きになった人がいる恐れがあるという。近くにいたトルコの救助隊員の男性は「救助しなければいけない所が市内にありすぎて、どこから手を付けたらいいか分からない」と話した。